先に結論をお伝えします。AIO対策の主要な施策は、その多くが自社で実施でき、費用は0円です。
外注に価値が出るのは、構造化データの実装と、複数AIをまたぐ計測体制の構築という限られた範囲です。ここを切り分けずに「AIO対策一式」で契約すると、自社でできる作業に月額費用を払い続けることになります。
この記事では、AIO対策の作業を6つに分解し、それぞれの費用と自社対応の可否を示します。あわせて料金体系3つの型、見積もりで確認すべき5項目、追加費用の落とし穴、相見積もりの取り方まで解説します。
AIO対策の費用は作業ごとに分けて考える

そもそもAIO対策とは何をすることか?
Google検索の最上部に表示されるAI Overview(AIによる概要)に、自社の情報を引用してもらうための最適化です。
新しい記事を大量に書くことではありません。既存ページの見出しと文章構造を、AIが答えとして切り出しやすい形に直すことが中心になります。施策の全体像はAIO対策とは?店舗が今すぐやるべき5施策で解説しています。
なぜ「AIO対策いくら」に一律の答えがないのか?
何をやるかで金額が10倍以上変わるためです。
同じ「AIO対策」という名前でも、既存5ページの見出しを直すだけの契約と、50ページの改修に記事制作と月次レポートを含む契約では、当然ながら金額がまったく違います。
相場を調べる前に、自社が何を必要としているかを決めてください。これが決まっていないと、提示された金額が高いのか安いのかを判断できません。
そして多くの場合、必要な作業は思っているより少なくて済みます。次の表を見てください。
作業を6つに分解すると費用が見える
| 作業 | 自社対応 | 外注時の目安 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| ①現状診断 | できる(0円) | 数万円〜数十万円 | 高 |
| ②見出し・文章構造の修正 | できる(0円) | 1ページ数千円〜数万円 | 最高 |
| ③店舗情報・NAPの統一 | できる(0円) | 数万円〜 | 最高 |
| ④構造化データの実装 | やや難 | 1ページ数千円〜数万円 | 中 |
| ⑤計測体制の構築・運用 | やや難 | 月額数万円〜 | 中 |
| ⑥記事の新規制作 | できる | 1本数万円〜 | 低 |
※金額は公開情報から確認できる一般的なレンジであり、特定企業の料金ではありません。実際の見積もりは作業範囲により変動します。
この表で押さえてほしいのは2点です。6つのうち4つは自社で対応可能だということ。そして優先度が最も高い②③が、いずれも自社でできる作業だということです。
つまり、最も効く施策ほど自社で無料でできる、という構図になっています。
自社でやれば0円で済む範囲

①現状診断(所要30分・0円)
チェックリストがあれば、サイトURLとGoogleビジネスプロフィールだけで自己診断できます。
見るべきは5点です。クロールされているか、情報がテキストとして存在するか、見出し直下に結論があるか、運営者情報が表示されているか、店舗情報が一致しているか。
30項目のチェックリストをLLMO診断のやり方|無料チェック30項目で公開しています。そのまま使えます。
有料の診断を受ける場合も、先に自己診断をしておくと比較ができます。「自分で見つけられなかった指摘がどれだけあったか」が、その診断の価値を測る物差しになります。自己診断と同じ内容しか出てこないなら、その費用は次回から不要です。
②見出し・文章構造の修正(上位5ページで1時間半・0円)
AIO対策で最も効果が大きく、最も手間がかからない作業です。
やることは2つだけです。見出しをユーザーが検索しそうな疑問文に書き換えること。その直下1文で結論を言い切ること。
「料金について」を「施術1回あたりの料金はいくらですか?」に変え、直下に「初回は5,500円、2回目以降は7,700円です。」と置く。この2手で、AIが答えとして抜き出せる形になります。
1ページ15分、上位5ページで1時間半です。ここを外注すると1ページ数千円から数万円かかりますが、作業自体は文章の順序を入れ替えるだけです。まず自社で試してください。
書き換える見出しの元ネタは、Google検索結果に出る「他の人はこちらも質問」をそのまま使うのが確実です。ユーザーが実際に打ち込んでいる言葉だからです。書き換えの型はAI Overview対策|引用される5つの型にビフォーアフター文例つきでまとめています。
③店舗情報・NAPの統一(所要1〜2時間・0円)
店舗名・住所・電話番号を、サイト・GBP・ポータルサイトで1文字単位で揃える作業です。
ありがちなズレは4つです。住所の「1丁目2-3」と「1-2-3」。電話番号のハイフンの有無。店舗名の「株式会社」の有無。ビル名の階数表記の揺れ。
人間には同じに見えても、機械的な照合では別物になり得ます。ズレがあるとAIは同一店舗と判断しきれず、情報の確度を下げて扱います。
地味な作業ですが、店舗ビジネスでは効果がはっきり出る領域です。しかも費用がかかりません。
⑥記事の新規制作(自社で書けば0円)
外注すると1本数万円からかかりますが、必ずしも新規記事が必要とは限りません。
AIO対策の文脈で「記事を月20本書きましょう」という提案を受けることがあります。ただ、AIが評価しているのは記事の本数ではなく、情報の正確性と具体性です。
一次情報のない記事を量産すると、他社サイトと同じ内容のページが増えるだけになります。既存の主要ページ5本を丁寧に整えるほうが、費用対効果は高くなります。
記事制作が見積もりに含まれている場合は、「なぜ新規記事が必要なのか」を尋ねてください。既存ページの改善で足りるケースは少なくありません。
外注に価値が出る範囲

①構造化データの実装
コードの実装を伴うため、技術者がいない場合は外注の合理性があります。
FAQPageやLocalBusinessといったマークアップを、ページの内容と一致する形で実装します。WordPressのテーマによってはコードに手を入れにくく、自社で詰まることがあります。
ただし注意点があります。ページ本文に書かれていない内容を構造化データで宣言するのは、Googleのガイドライン違反です。外注する場合も、実装後に本文と一致しているかを目視で確認してください。
また、プラグインで対応できるケースもあります。まず自社サイトのCMSで使えるプラグインがないかを確認してから、外注を検討するのが順番です。プラグインで済めば、費用は月数百円から数千円で収まります。
②計測体制の構築・運用
監視対象が30〜50キーワードを超え、複数のAIサービスを継続的に記録したい段階から、外注またはツール導入の価値が出ます。
20キーワード程度までは、月1回1時間の手動運用で足ります。手順はAI Overview計測方法|無料でやる手順にまとめており、費用は0円です。
ツールの要否についてはLLMOツール比較|選び方と費用の目安で、導入すべき条件と不要な条件を整理しています。
料金体系の3つの型と注意点

提案される料金体系は、おおむね3つに分かれます。それぞれ注意すべき点が異なります。
型①:初期費用+月額固定
最も一般的な形です。初期の診断・改修に一時金、その後の運用に月額を払います。
注意点は、月額に何が含まれるかです。「月額十数万円」の中身が、レポート作成だけなのか、継続的な改修まで含むのかで価値がまったく変わります。
確認の仕方は、「月額の中で毎月何時間くらいの作業を想定していますか」と尋ねることです。作業時間の目安が出てくれば、金額の妥当性を判断できます。
答えが「案件によります」で終わる場合は、実質的に作業量が定義されていない契約です。この状態だと、繁忙期に作業が薄くなっても指摘できません。
型②:ページ単価・スポット
既存ページの改修を1ページいくらで請け負う形です。月額の縛りがなく、必要な分だけ依頼できます。
注意点は、改修後の効果測定が含まれないことが多い点です。直して終わりになるため、その後の判断は自社で行う必要があります。
この型が向いているのは、自社で計測はできるが改修の手が足りない、というケースです。逆に、何を直すべきか自社で判断できない状態でこの型を選ぶと、改修対象の選定から迷うことになります。
型③:成果報酬型
成果に応じて費用が発生する形ですが、AIO対策では注意が必要です。
成果報酬型で必ず確認すべきこと
何をもって「成果」とするかの定義です。AIO対策の本来の成果は被引用ですが、これを成果指標にした契約はまだ一般的ではありません。
多くの場合、従来どおり「検索順位が〇位以内」を成果としています。順位とAI Overviewの被引用は一致しないため、順位が上がっても被引用が増えていないケース、逆に順位は変わらないが被引用が増えているケースの両方があり得ます。
契約前に「成果の定義」と「測定方法」を書面で確認してください。あわせて、成果が出た場合の上限額(月額の天井)が設定されているかも確認しておくと安心です。
見積もりで確認すべき5項目

提案書を受け取ったら、次の5点を確認してください。
①対象ページ数が明記されているか
「AIO対策一式」ではなく「対象20ページ」のように数量が書かれているか。ページ数が書かれていない見積もりは、後から範囲を巡って揉めます。
②作業内容が項目別に分かれているか
診断、文章修正、構造化データ実装、計測、レポート。どれが含まれ、どれが含まれないかが分かる形になっているか。
③自社でできる作業が金額の大半を占めていないか
見出しの書き換えと店舗情報の統一は自社で可能です。ここに費用の大半が乗っている場合、その部分を外して見積もりを取り直せないか相談してください。
④効果測定の指標が定義されているか
順位だけを報告する契約では、AIOの成果を評価できません。「表示」「被引用」「流入」の3指標をどう測るかが書かれているか。
⑤契約期間と中途解約の条件
6〜12か月の最低契約期間を設ける会社が多く見られます。期間、解約の申し出期限、違約金の有無を確認してください。
追加費用が発生しやすい4つの箇所
契約前に単価と上限を確認してください。
1つ目は、対象ページ数の超過。「20ページまで」の契約で25ページ必要になった場合の単価が決まっているか。決まっていないと、後から言い値になります。
2つ目は、記事の新規制作。多くの契約では既存ページの改善までが含まれ、新規記事は別料金です。
3つ目は、構造化データの実装ページ追加。実装は1ページごとの作業になるため、ページが増えれば費用も増えます。
4つ目は、レポートの追加作成。定例の月次レポートとは別に、役員会用の資料などを依頼すると別料金になることがあります。
見積もりの取り方:「AIO対策はいくらですか」ではなく、条件を明示して聞いてください。
例:「既存20ページの見出し修正、FAQPage実装3ページ、月次レポートあり、記事制作は含まず、という条件でいくらですか。ページ超過時の単価も教えてください」
条件を揃えて複数社に聞けば、金額を横並びで比較できます。条件を伝えずに聞くと、各社が違う前提で答えるため比較になりません。
相見積もりの取り方

何社に聞くべきか
3社程度が目安です。
2社では価格の妥当性が判断しにくく、極端に高い・安いという外れ値を見抜けません。5社以上になると、検討にかかる工数のほうが大きくなります。
選ぶ際は、性格の違う3社にすると比較になります。たとえば、SEO会社、Web制作会社、ローカル検索に強い会社という組み合わせです。同じ業態の3社に聞いても、似た提案が並ぶだけになります。
同じ条件を提示する
各社に伝える条件は、必ず同じ文面にしてください。
伝えるべきは5項目です。対象ページ数、含める作業(診断/文章修正/構造化データ/計測/レポート)、記事制作の有無、計測対象のAIサービス、希望する契約期間。
この5項目を1枚のメモにまとめ、そのまま各社に渡すのが確実です。口頭で説明すると、伝え方の差で提案内容がずれます。
金額以外に比較すべきこと
提案書の具体性と、質問への回答の質を見てください。
具体性とは、対象ページを実際に見たうえでの指摘が入っているかどうかです。汎用のテンプレートをそのまま出してくる会社と、自社サイトを見て「このページのここが問題です」と書いてくる会社では、その後の仕事の質が違います。
質問への回答の質とは、「なぜその作業が必要なのか」を説明できるかどうかです。「AIO対策には必要だからです」で終わる回答は、根拠がありません。
費用対効果はどう判断するか

人件費と比べるのが分かりやすい
その作業を自社の担当者が行った場合の時間と人件費を計算し、月額費用と比べてください。
たとえば月次の計測と改善に自社担当者が月8時間かかるとします。時給換算した金額が月額費用を上回るなら、外注する合理性があります。
逆に、自社で月2時間で回せている作業に月額十数万円を払うのは、費用対効果が合いません。
回収期間は6か月で見る
AIO対策は、修正の反映に1〜2か月かかり、しかも表示や引用は揺れます。3か月では判断できません。
実質6か月以上の投資になる前提で、その期間の総額を許容できるかを先に決めてください。月額十数万円なら、6か月で百万円近い金額になります。
この期間を許容できない場合は、外注ではなく自社対応から始めるほうが現実的です。3〜4時間の作業で着手できます。
店舗規模による判断の目安
| 規模 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 単一店舗 | 自社対応 | 対象KWが20語前後で手動運用が可能 |
| 2〜3店舗 | 自社対応+スポット外注 | 構造化データだけ外注する形が現実的 |
| 4店舗以上 | 外注またはツール導入 | KW×エリア数で手動が回らなくなる |
| ページ50本超 | 外注 | 文章改修の工数が自社リソースを超える |
何を自社でやり、何を外注するか整理しませんか
MainCでは店舗・地域密着型ビジネスのMEO対策とローカル検索の運用支援を行っています。受け取った見積もりの妥当性についても、中立の立場でご相談に乗れます。
▶ 無料相談を申し込む / ▶ MEO対策の基礎資料をダウンロード
費用0円で今日から始める3ステップ

外注を検討する前に、この3つを終えてください。合計3〜4時間、費用はかかりません。
ステップ1:店舗情報の表記統一(1〜2時間)
店舗名・住所・電話番号を、サイト・GBP・ポータルサイトで1文字単位で揃えます。あわせてGoogleビジネスプロフィールの空欄を埋めてください。カテゴリ、営業時間、サービス内容、写真の4項目です。
ステップ2:上位5ページの見出しを疑問文に(1時間半)
アクセスの多いページから、見出しを疑問文に書き換え、直下1文で結論を言い切ります。書き換える元ネタは、検索結果に出る「他の人はこちらも質問」をそのまま使うのが確実です。
ステップ3:運営者情報と更新日の表示(30分)
会社概要が全ページから辿れること、各ページに公開日と最終更新日が表示されていることを確認します。WordPressならテーマ設定やプラグインで一括対応できることが多い項目です。
この3つを終えた状態で相談すれば、「まずここから直しましょう」という初歩的な提案に費用を払わずに済みます。提案の質も上がります。
3ステップを終えたあとの判断
1〜2か月後にあらためて現状を確認し、それでも足りない部分だけを外注してください。
確認方法は、シークレットウィンドウで自社の主要キーワードを検索し、AI Overviewに自社が引用されているかを見ることです。所要10分です。
引用されるようになっていれば、追加の投資は不要かもしれません。引用されていない場合、原因が構造化データの不足なのか、一次情報の不足なのかを見極めてから、必要な部分だけを依頼します。
この順番を踏むと、外注の範囲が明確になり、費用も抑えられます。
AIO対策の費用に関するよくある質問

AIO対策の費用相場はいくらですか?
自社で実施すれば0円です。外部委託の場合、初期診断で数万円から数十万円、既存記事のリライトで1本あたり数万円、月次の継続支援を含むと月額十数万円からが一般的な価格帯です。
AIO対策は自社でできますか?
主要な施策の多くは自社で実施できます。見出しの書き換え、結論の位置の修正、店舗情報の統一、運営者情報の表示は特別な技術を必要としません。外注の価値が出るのは構造化データの実装と計測体制の構築です。
見積もりで追加費用が発生しやすいのはどこですか?
対象ページ数の超過、記事の新規制作、構造化データの実装ページ追加、レポートの追加作成が代表的です。契約前に単価と上限を確認してください。
AIO対策の費用対効果はどう判断すればいいですか?
その作業を自社の担当者が行った場合の人件費と比較するのが分かりやすい方法です。あわせて、成果の判断に6か月程度かかる前提で投資回収を考えてください。
月額費用をかけずにAIO対策を始められますか?
始められます。見出しの疑問文化、結論を前に置く書き換え、店舗情報の表記統一という3つは費用0円で実施でき、合計3〜4時間程度で終わります。
成果報酬型のAIO対策はありますか?
順位を成果とする成果報酬型は存在しますが、AIO対策の本来の成果である被引用を成果指標にした契約はまだ一般的ではありません。何をもって成果とするかの定義を必ず確認してください。
制作会社とSEO会社のどちらに頼むべきですか?
構造化データの実装だけなら制作会社、文章構造の改善や計測まで含むならSEO会社が適しています。ただし店舗ビジネスの場合は、ローカル検索の知見があるかを優先して確認してください。
相見積もりは何社取るべきですか?
3社程度が目安です。同じ条件を提示して比較してください。2社では価格の妥当性が判断しにくく、5社以上は検討工数のほうが大きくなります。
契約後に解約したくなった場合はどうなりますか?
最低契約期間内の解約では違約金が発生する契約が多く見られます。期間、解約の申し出期限、違約金の有無を契約書で必ず確認してください。
まとめ|AIO対策は切り分けてから見積もりを取る

AIO対策の作業は6つに分解できました。現状診断、見出し・文章構造の修正、店舗情報の統一、構造化データの実装、計測体制の構築、記事の新規制作です。
このうち4つは自社で対応でき、費用は0円です。しかも優先度が最も高い「見出しの修正」と「店舗情報の統一」が、どちらも自社でできる作業です。最も効く施策ほど無料でできる、という構図になっています。
料金体系は3つの型がありました。初期費用+月額固定、ページ単価・スポット、成果報酬型。特に成果報酬型は「何をもって成果とするか」の定義を必ず確認してください。
見積もりを取る前に、まず自社でできる3つ(表記統一・見出しの書き換え・運営者情報の表示)を終えてください。合計3〜4時間で終わり、その後の提案の質も費用も変わります。
そして相見積もりは3社、同じ条件を1枚のメモにまとめて渡す。金額だけでなく、提案の具体性と質問への回答の質も比べてください。
「AIO対策いくら」という問いに単一の答えはありません。何をやるかを決めてから、いくらかを聞く。順番はこちらが先です。
