TikTokを使い、採用活動が出来ないかもっと知りたいと考えている企業担当者の方もいるのではないでしょうか。TikTokは10代・20代と若い世代の需要も高く、実際に採用活動として使い成功している企業もあります。動画を通して企業の宣伝にもなりますし、より多くの人に知ってもらうきっかけとしても便利です。TikTok採用を成功させるために覚えておきたいポイントも含め、詳しく解説していきます。
TikTok採用とは
TikTok採用とは、SNSのTikTokに動画を投稿し企業の認知力を高め応募に繋げるための手法のことです。
一般的な採用の方法とは違い、TikTokの動画を通してエンターテイメント性も出しつつ採用に繋げられるのも大きな特徴です。TikTokの動画は15秒から1分程度の短尺でできており、好きな時間に飽きることなく楽しめる特徴も持っています。音楽やエフェクト、スタンプを使って飽きずに動画を視聴できる魅力もあり、気になる動画があるとついつい見てしまう人も少なくありません。
そのときのトレンド情報を手軽に確認できますし、縦長でスマートフォンいっぱいに表示されるようにできています。そのため採用を効果的にアピールしやすく、企業に興味を持ってもらいやすい特徴もあります。
TikTok採用活動が注目されている背景
一見、TikTokは採用には関係ないように見えるからこそ、10代・20代のZ世代の採用に向いている方法でもあり、男女問わずに利用しています。採用ターゲットとして有力な年齢層の認知拡大を狙うことにもなり、TikTokは絶好の媒体とも言えるでしょう。
近頃では、TikTokを使った採用に力をいれる企業の割合も増えており「TikTok採用」として使われています。新卒採用の一環としてTikTokを使う企業もあることなど、いかにTikTokの需要が高いのかが分かると思います。
TikTok採用活動の主な2つの方法
TikTok採用活動には、大きく分けて2つの方法があります。
それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。
・企業アカウントを運用する方法
企業アカウントは、会社や社員のアカウントを作りTikTok動画を発信する方法です。
無料で簡単に作成でき、マーケティングの一環として利用する企業も増えています。一般アカウントと同じでショートムービーを使ったプロモーションもできますし、データ分析機能も搭載しています。
メリット：無料で運用できる・ファンを獲得できる
デメリット：成果が出るまでに時間がかかる・動画制作スキルやバズるためのノウハウが必要
・求人広告を出稿する方法
アカウントを作らずに、動画広告を出稿する方法です。広告にも種類があり、ハッシュタグチャレンジ広告や運用型広告、起動画面などがあり、最低出稿額が変わってきます。
メリット：即効性がある・狙ったターゲットに表示させやすい
デメリット：広告費が発生する
基本的に、企業の採用活動においてはまずは会社に興味を持ってもらうことが重要になります。TikTok採用では、ファンを獲得しやすい「企業アカウント運用」が多く選ばれています。
TikTok採用のメリット
TikTokで採用活動を行うことにはさまざまなメリットがあります。特に自社アカウントを運用することで、具体的にどんなメリットが得られるのか、詳しく説明していきたいと思います。
拡散性が高い
企業がTikTokを採用活動に使うのは、拡散性に優れていることが関係しています。TikTokの「バズる」機能を使えば、アカウントを開設したばかりの企業でも大きな認知を獲得できる可能性があります。
そもそもTikTokの拡散性は、コンテンツのパーソナライズできるシステムが関係しています。「いいね」「コメント」「シェア」だけでなく、最後まで動画を視聴したユーザーのリアクションも含めておすすめに表示される仕組みです。
企業の雰囲気を伝えられる
TikTok採用は、Z世代が知りたい企業のリアルな雰囲気を伝えることもできます。例えば、どんな人が働いているのか、実際の業務や社員の日常も含めてTikTokを使って発信できます。特にTikTokは企業のなかでも「人」を重視した動画が好まれる傾向があり、企業の雰囲気を伝えられるTikTokは効果的な方法としても使いやすいのが大きなメリットと言えるでしょう。
費用対効果に優れている
TikTok採用は、費用対効果の高さでも知られています。企業が採用活動を行う場合、求人広告を出すのに高いコストがかかってしまいます。TikTok採用は、スマホで撮影した動画を簡単に投稿できるため時間をかけずに出稿できるのも特徴です。限られた社員のなかで、採用の重要性はわかっているものの、費用対効果も重視したい企業にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
競合との差別化を図れる
TikTokのサービスが国内で始まったのは2017年のことです。若年層を中心に娯楽として広がったこともあり、企業のマーケティングとして使えると認知されたのは最近になってからです。TikTokに採用アカウントを作成している企業も少ないため、競合との差別化を図りやすい特徴があります。競合が多くなれば、その分、広告費用をかけないと多くの人に見てもらいにくくなります。競合との差別化を図りやすいのもTikTok採用のメリットです。
TikTok採用のデメリット
TikTok採用にはメリットだけでなくデメリットもあります。
具体的にどのようなデメリットがあるのか詳しく説明します。
炎上リスクがある
TikTokのデメリットとして、炎上リスクがあります。TikTokは「バズる」性質を持っていますが、短期間で多くの人に見られるからこそ、他のSNSよりもリスクが高いことを認識して取り組む必要があります。TikTokで炎上してしまうのは、コメントなど他のユーザーに対しての配慮不足も考えられます。炎上してしまうと、企業としての信頼性の低下にも繋がるので、十分に注意するようにしてください。
長期的な運用が不可欠となる
TikTok採用は、長期的な運用が欠かせません。TikTok動画に投稿してもすぐに効果が出るとは限りません。何度も動画を投稿し、ユーザーとのコミュニケーションを積極的にとることで認知を高めファンを増やしていく必要があります。ファンを獲得できれば、採用への応募の可能性も高まります。潜在顧客候補に対して早くからアプローチできますが、長期的な運用を維持するためのリソースの確保も重要です。
TikTok採用を成功させるためのポイント5選
TikTok採用を成功させるためには、いくつかポイントをおさえることが大切です。
具体的にどのようなポイントを意識したらいいのか詳しく説明します。
トレンドを取り入れる
TikTok採用を成功させるためには、トレンドを意識することが大切です。若年層が多いプラットフォームになるため、トレンドは目まぐるしく変わっています。人気の音源やダンス、チャレンジなどの流行りを取り入れると、興味をもってもらいやすくなります。その時のトレンドを常にチェックした動画を心掛けるようにしましょう。トレンドがわからないときは「TikTokトレンド」を検索して確認する方法もあります。ハッシュタグも活用しつつ、多くの人に見てもらえるように工夫しておきましょう。
企業イメージとのギャップを意識する
企業のイメージと正反対の動画を投稿することで、あえて「ギャップ」を作り印象に残す方法もあります。例えば、お堅いイメージの企業が面白いユーモアのある動画を投稿すると、意外性があり印象に残りやすくなります。例えば、社員が楽しそうに踊っているダンス動画なども、競合との違いを伝える意味でも大きなポイントになります。自社をネタにするやり方もあるので、いかに親近感を与えられるかどうかによって、興味を持ってもらえるかが変わってきます。
投稿に採用関連のハッシュタグも含める
TikTok採用では、投稿に採用関連のハッシュタグを含めるようにします。ハッシュタグをつけることで、そのタグに興味を持つユーザーにも動画が表示されやすくなりますし、タグをたどってアクセスすることもできます。例えば「＃会社」「＃採用」「＃転職」「＃社員採用」などのハッシュタグを効率的に使うようにしておきましょう。目安として3つ前後を設置すると効果的だと言われています。
複数の社員の協力を得る
TikTok採用を成功させるためには、数多くのコンテンツを制作する必要があります。例えば会社の雰囲気や社員の働いている様子が伝わるコンテンツを発信するためには、社内の協力が欠かせません。TikTok採用活動のなかには、会社に強要されているように見えてしまったり、逆に会社にとって印象が悪くなってしまうこともあります。複数の社員の協力を得たうえで企業としての魅力をTikTokで伝えられるかどうかによっても変わってきます。
複数のSNSと連携して運用する
TikTok採用は、複数のSNSを使い連携しながら運用する必要があります。TikTokやTwitter、Instagram、FacebookなどSNSによってもユーザー層が変わってきます。採用活動を広範囲で行いたいと考えている企業の場合、複数のＳＮＳと連携させながら、採用活動の効果を高めるようにしてください。TikTokは他のＳＮＳアカウントとの設定もできるので、連携しやすいＳＮＳだからこそ積極的に活用しましょう。
TikTok採用の成功事例5選
TikTok動画がバズり、採用活動に成功した企業の事例を紹介します。
株式会社BEEM
株式会社BEEMは、TikTokマーケティング日本一の会社としても知られています。フォロワー数が48万人超えの人気アカウントを運営していることもあり、エンターテイメント性にも優れています。社長もユーモアがある人ですし、社員（スタッフ）とのやりとりを見ていると、企業の雰囲気も伝わってきます。楽しそうな会社で働いてみたいと、TikTokユーザーの心を掴んでいるのも特徴です。企業イメージを発信して成功した事例とも言えるでしょう。
三和交通株式会社
三和交通株式会社といえば、「踊るタクシーおじさん」の印象を持っている人も多いと思います。関東（東京・埼玉・神奈川）で展開しているタクシー会社となり、人材不足の問題を抱えていました。タクシー運転手さんの多くがおじさんなのもあり、やや硬い印象をもたれがちです。捨て身のダンスを配信することで親近感もあり、たくさんのファンを獲得しています。メディアにも出演し大成功を納めています。
全日本空輸株式会社（ANA）
全日本空輸株式会社（ANA）は、有名アイドルやYouTuberを使った動画で一躍話題になりました。資本力のある大手企業だからこそできる戦略でもありますし、他社との圧倒的な差別化にも繋がっています。否定的な意見こそありましたが、今が好意的なコメントも増えています。認知力拡大にもなるためTikTok採用による成功事例ともいえるでしょう。
ライソン株式会社
ライソン株式会社は、家電やアウトドア、オーディオなどの電化製品を販売している会社です。アットホームな雰囲気もあり、社員同士が楽しく動画を投稿しているのが印象的です。自社家電を使い職場でクッキングをする動画を上げており、商品やサービスの魅力を伝えているのはもちろん、男性のみならず女性社員のファンからのコメント投稿も増えているのが特徴です。
大京警備保障株式会社
大京警備保障株式会社は、警備会社のイメージを変えるユーモアのある動画を発信しています。例えば、冷えピタをつけた部長がアニメキャラクターを手描きしたものを、社長の顔に投げつける動画が話題になっています。一見、普通の社員が全力でふざけている動画だからこそ、より印象に残る部分もあると思います。大京警備保障株式会社はTikTokを通して若い世代の採用にも力をいれています。
まとめ
TikTok採用は、企業にとっても競合が少なく若年層をメインに採用活動ができる方法です。拡散性が高く、企業としての雰囲気を伝えられるので採用情報だけではわからない、企業の社員の様子を伝えることもできます。TikTok採用の成功事例を見ても、需要の高さがわかると思います。TikTok採用を使い、より多くの人に企業としての魅力を伝えられるようにしていきましょう。
