企業にとって自社の認知度や魅力を伝えるためにも効果的なPRを行いたいと考えているのではないでしょうか。ただ、今まで企業PRに成功した経験がなかったり、はじめて行う企業の場合どのようなポイントに気を付けて行えばいいのか迷っている人もいると思います。
本記事では企業PRを効果的に行うポイントや、注意点も含めて詳しく紹介していきます。企業PRで悩んでいる人は参考にしつつ、どんなPRを行えばいいのか考えるきっかけにしてみてください。
企業PRとは？
企業PRとは、自社の取り組みや理念・価値観などをコミュニケーションを通じて伝えることを言います。PRというと宣伝や広告をイメージする人も多いのですが、本来の意味は「Public Relations」のことをいい「企業」と「パブリック」がお互いに、利益のある良好な関係を構築し維持する活動のことをいいます。企業のパブリックは広範囲で使われているものになり、地域社会からグローバルレベルも含まれています。商品やサービスの販売促進だけが目的ではなく、理念や思想をもとにして活動し、問題提起を行うことも企業PRの一環として考えられています。
プロモーション・商品PRとの違い
企業PRは、プロモーションと勘違いしやすいと思います。そもそもプロモーションとは、どのように商品やサービスを売っていくのか販売促進を目的に考えた時の言葉です。費用をかけて行うため、広告としての意味合いが強いものになり一方の発信である点も大きな違いです。よく間違われやすい点でもあるため、プロモーションとの違いを認識していく必要があります。
商品PRとの違いとしては、商品に対して消費者と双方的なコミュニケーションを積極的にとることをいいます。売り込むことや宣伝の意味はなく社会的な情勢ももとに消費者の声に耳を傾けていきます。商品やサービスの改善に繋げていき、商品へのロイヤリティを高める目的もあります。
企業PRを行うメリット
企業PRを行うことで、さまざまなメリットが得られます。
具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
自社の魅力を周知できる
企業PRは、自社の強みを広く伝えるための絶好の機会ともいえます。企業概念や文化、目指すべきビジョンや社会的な責任などを効率的に発信することにも繋がります。基本的なことではあるものの、独自の魅力を積極的に発信することで顧客との繋がりを強固なものにして独自性を伝えることにも繋がります。物で溢れている現代において、いかに顧客とのコミュニケーションをとるかが重要になってきます。自社に興味を持ってもらい認知してもらうためにも重要です。
自社の知名度が高まる
企業ＰＲは、自社の知名度を高めることにも繋がります。適切なＰＲを行うことで新規顧客を獲得するのはもちろんリピーターを増やしつつ、信頼関係を築きやすくなります。知名度を向上させることで、他社との違いを認識してもらうことにもなりますし、長期的なビジネスの成長も期待できるようになります。知名度が高くなると、優秀な人材を確保しやすくなるため採用プロセスのコストや時間を削減できるのも大きなメリットといえるでしょう。
ブランド力を高められる
ブランド力を高めることも、ＰＲに繋がってきます。消費者だけに限らず社員や株主などと良好な関係を築けるようになるので、高いブランドロイヤリティを作ることにも繋がっていきます。競合との差別化を図るのはもちろん、市場の独自性を作ることにもなります。ただし、PR方法を間違えてしまうと、企業にとって悪い印象を持たれてしまうことも考えられます。方法や内容に問題がないかしっかり確認しましょう。
広告コストが削減できる
PR活動を適切に行うことで、広告コストを削減することにもなります。ブランドとして良いイメージを持ってもらえるようになると、顧客とのエンゲージメント率を高めることにも繋がります。自分が良いと思ったものは、他の人にも紹介したいと思えるものです。口コミを通じた自然な宣伝効果を生み出すことができる=広告コストをかけず宣伝できるのもメリットといえるでしょう。社員にとっても良い影響を与えるため、離職率を低下させて、生産性の向上にも繋がりやすくなります。
企業PRの代表的な手法
企業PRの代表的な手法にはさまざまな種類があります。
具体的にどんな手法があるのか特徴やメリットなども含め解説していきます。
プレスリリース
プレスリリースとは、企業（組織）が発表している公式の文章のことをいいます。一次情報をまとめたものになり、今まで発表していなかった新規の画像（動画）などが対象です。メディアに掲載することで、自社の信頼を高めて認知度を高める目的があります。プレスリリースを配信しているサイトに情報を送ることで、より効果的に企業PRを行うことができます。自社だけのPR活動では思うような結果が出ず、困っている企業はプレスリリースを検討しましょう。
SNS
SNSを使うと、拡散力が高く効果的に認知度を高めることが期待できます。Instagram、X（Twitte）やFacebookなどのプラットフォームを活用しつつ、情報発信や顧客との繋がりを行います。SNSを積極的に活用することで、企業の認知度を高めて話題性を伸ばすことにも繋がります。特に若年層に対してアプローチしたいと考えている企業にとっても、SNSはおすすめです。他の企業PRよりも気軽に取り組みやすいのもあり、ターゲティングを明確にしたうえで行うようにしてください。
動画
動画は文章コンテンツよりも効果的に情報を伝える事ができます。視覚的にアピールできることもあり、企業PRの方法としては非常に効果的な方法としても知られています。例えば、企業としてInstagramやYouTubeのチャンネルを立ち上げて、商品・サービスに関する動画を投稿しつつ魅力を伝えていきます。動画を定期的に投稿することが必要になりますが、予算的な問題もあり難しいケースもあると思います。
企業とのコラボレーションを行いPRを行うなど工夫した対策が必要になります。
Web広告
企業PRでもWEB広告を使うのは有効的な手段です。幅広い層に認知してもらい、自社の公式HPやキャンペーンサイトに繋げることもできます。企業として認知度が低いときにも使いやすい手法になり、WEB広告を通じて、企業について知るきっかけをつかめるようになります。広告の反応をもとにデータを分析して、どんなターゲティングを行うべきか明確にすることにも繋がります。WEB広告は、商品やサービスのプロモーションでも使えるので、ノウハウを身に着けておくことが大切です。
オフラインでのPR
新聞や雑誌・イベントなどのオフラインで企業PRを行う方法もあります。昔ながらの方法であり、効果がないと思っている人もいるかもしれません。実績のあるメディアでの記事の掲載や広告を行うことで、企業としての認知度を高めてより多くの人に知ってもらうきっかけにもなります。例えば、新聞であれば日常的に目にする機会のあるメディアになるため、広範囲で情報発信ができるようになります。雑誌も特定のジャンルに特化した広告を掲載できます。
企業PRを効果的に行うポイント
企業PRを効果的に行うためには、意識しておくべきポイントがあります。
具体的にどのようなポイントを意識するべきか詳しく紹介していきます。
ターゲットと目的を明確にする
企業PRを行う目的を明確にしておきましょう。何のために企業PRをするのか、企業によっても変わってきます。例えば、企業としての認知度を高めたいと考えているのか、商品やサービスの認知度を高めたいのかによっても取り組むべきPRの内容が変わってきます。目標やターゲットが決まっていないと伝えたい内容がぶれてしまうため、一貫性のないメッセージになってしまう可能性があります。企業としてのイメージを作ることにもなりますので、事前にしっかりと分析を行うようにしておきましょう。企業としての信頼度を高められるかどうかも変わってきますので、必ず取り組むようにしてください。目的に迷ったときは、企業の事業目的やマーケティングの目的と一致させておくのをおすすめします。
KPIを設定する
KPIとは「Key Performance Indicator」の略称です。重要業績評価指数と呼ばれているものになります。業務を遂行する過程のなかで、どの程度目標を達成できているかどうかを計測・分析し数値化したものになります。企業PRにも活かせる部分になり、どの程度効果があったのかを調べることもできますし、企業やブランドのイメージをどの程度向上できたのか、集客に繋げられたのかを評価することにも繋がります。可視化したデータを共有しておけば、社員のモチベーションにも繋がる部分になるため、KPIの設定を行うようにしておきましょう。KPIの指標は企業や業種によっても変わるので、各自で確認するようにしてください。
ツールを連携し一貫した発信を行う
企業PRを成功させるためには、PR計画を作成する必要があります。ツールも連携させながら、一貫した情報発信ができるようにしていきましょう。例えば、ターゲットを明確にするのはもちろん、活動を行う日時や期間、予算なども詳細に決めておきます。イベントも計画しているのであれば担当者の役割分担なども決めておくといいでしょう。この部分が出来ていないと、企業ＰＲをしてもブレが生じてしまい、伝わりにくくなってしまいます。実際に企業ＰＲを行う前に必要なアクションだと考えるようにして、目的に適したＰＲができるように工夫していきましょう。ツールにも種類があるので、自社に適したものを選びつつＰＲを進めていけるようにしましょう。
効果測定を行いPDCAサイクルを回す
企業ＰＲをして終わりではありません。ＰＲを遂行するためには、定期的な効果測定を行う必要があります。実際に行ったＰＲに対してどのようなアクションが見られたのか、どんな改善点が出てきたのかをまずは明確にしたうえで対処法を考えるようにしていきましょう。数値化したデータをもとにしつつPDCAサイクルを積極的に回していけるようにしてください。PDCAはPlan（計画）、Do（実行）、Check（洗い出す）、Action（改善策を立てる）のことをいいます。
課題を洗い出したあとに、もう一度PRを行うサイクルを繰り返すことで、より成果を出せる企業PRに繋げられると思います。一度で結果に繋がらずとも、何度でも企業PRに挑戦するようにして、企業PRの型を作ることが大切です。
企業PRの注意点
企業PRを行ううえで注意しておくべき点や、事前に理解しておくべき点もあります。
覚えておきたい2つの注意点について説明したいと思います。
長期的な取り組みであることを理解する
企業PRを始めるとすぐに結果が欲しいと思ってしまう人もいると思います。企業PRは長期的なマーケティング活動であり、時間がかかるものと認識しておきましょう。長期的な視点を持ちながら活動することを意識することも大切です。成果が思うように出ないとしても、将来までを考え対策を行うようにしてください。時間をかけつつブランドとしての価値を高めることで、顧客を獲得したり長期的な成果を得られやすくなるからこそ、諦めずに続けるようにしてください。
多部署で連携して行う
企業PRは広報部だけの仕事ではなく、他の部署との連携も欠かせません。マーケティング部や経営部門などの協働によって効果的な施策を行うことに繋がります。時間もかかりますが、手間を惜しまないようにすることや、部署同士の話し合いの機会を作るようにしておきましょう。
まとめ
企業ＰＲにも様々な方法があるように、それぞれの企業に適したやり方があります。まずは、目的やターゲティングをしっかりと行い、一貫した投稿ができるように工夫していきましょう。また、企業としての魅力を伝えるからこそ、部署同士が一丸となってＰＲを作り上げる気持ちが大切です。改善策も含めて、長期的な目でＰＲを続けていけるように改善していきましょう。
