企業の集客のために、TikTokの運用を始めたものの思うように再生回数が伸びず頭を悩まさせている担当者もいるのではないでしょうか。TikTokはただ、動画を再生していれば視聴者が増えていくと思っているのかもしれません。TikTokで「バズる」にはコツがあるからこそ、誰でも簡単にできるものではありません。TikTok運用で覚えておきたいコツやバズらせる方法について、詳しく解説していきたいと思います。
そもそもTikTokとは?
TikTokとは、短い尺の動画をシェアするスマホ向けのサービスです。TikTokの利用者層のメインユーザーは10代~20代の若者になり、男女問わずに利用されています。TikTokは、利用者の数も伸びており、なかでも10代は60%、20代で47.9%を超える利用率を誇ります。TikTok動画をきっかけに何かしらの商品・サービスに興味を抱いたり、何かしらの商品・サービスが気になったときにTikTok動画を検索するユーザーも少なくありません。特にTikTokは後ほど説明しますが「バズる」ことでよりたくさんの人に再生してもらえる可能性もあることから、企業の参入も増えています。
以下、令和4年厚生労働省が発表したTikTokの利用率です。
年代別 | TikTok利用率 |
全世代 | 28.4% |
10代 | 66.4% |
20代 | 47.9% |
30代 | 27.3% |
40代 | 21.3% |
50代 | 20.2% |
60代 | 11.8% |
TikTokを利用している年代が、いかに幅広いのかが数字を見てもわかると思います。
企業がTikTokを運用するメリット
企業がTikTokで集客するときはビジネスアカウントを使います。
ビジネスアカウントを運用することで、どんなメリットがあるのか詳しく説明します。
広告感がなく親しみやすいコンテンツを簡単に制作できる
TikTokは、ビジネスアカウントでも広告感がなく親しみやすいコンテンツを作ることができます。TikTokの特徴として全画面に動画が表示されるためコンテンツに注目が集まりやすくなります。投稿内容に意識が向きやすくなるため、一般アカウントに馴染みやすい特徴を持っています。広告感を抑えつつ、TikTokで求められているコンテンツを制作すれば拡散される可能性も高くなります。そのときのトレンドを意識させつつ、親しみやすいコンテンツを簡単に制作できるのも特徴です。
バズればさらなる認知拡大につながる
TikTokで投稿したコンテンツがバズれば、多くのユーザーによって拡散され自社の認知度を高めることにもなります。歴史の浅い企業が認知向上を図る場合は、広告費も高くなりがちですがバズれば、コストを抑えつつ大きな認知拡大を目指せるようになります。特にTikTok需要の高い10代の若い層にアピールしやすく、新しいフォロワーの獲得や商品・サービスの訴求効果も高まります。フォロワーになってもらえれば、過去の投稿内容を見てもらえる可能性も上がるので、商品やサービスのPR動画を投稿すれば、長期的に訴求効果も期待できるようになります。
参入企業が少なく差別化を図りやすい
TikTokは他のSNSよりも参入している企業が少なく、差別化を図りやすい特徴があります。先行者利益を出しやすく少ないリソースでも運用できる可能性があります。今後もユーザー数が伸びていく可能性がありますし、早い段階から取り組むことでたくさんのメリットが得られると思います。特にTikTokとの親和性が高いビジネスの場合は、積極的に運用するのをおすすめします。
TikTokにおける「バズる」の定義
TikTokにおける「バズる」とは、動画がおすすめに掲載されて多くのユーザーに再生されることです。TikTokの仕組みとして、1つの動画を投稿すれば200回以上は再生される可能性が高く、さらに評価の高い動画は他のユーザーに表示されるようになり、何千回、何万回と増えていきます。再生数が増えればその分フォロワーが増える可能性も高まります。TikTokにとってバズるとは閲覧数が急激に伸びることで、ファンを獲得にも繋がりますし、商品やサービスの認知度を高めることにも繋がります。
TikTokのアルゴリズム|おすすめ欄に表示されるための重要な要素
TikTokアルゴリズムは、すべての動画において「おすすめに表示される確率」は平等です。そのため、基本的にどんな動画でも、最低でも200回~300回程度は再生される可能性が高くなります。そのなかでユーザーからの評価が高い動画はさらに露出度が高まり、再生回数は徐々に増えていく仕組みです。
そのため、TikTokで動画がおすすめ欄に表示されるかどうか=バズるかどうかが変わってきます。TikTokはおすすめ欄に表示されるための指標について、採用基準を示していません。一般的には、以下の5つの要素が大きく影響するとされており、重要な6つの要素を紹介します。
●平均再生維持率
動画をどの程度視聴したのかを確認できれば、影響力がある動画なのかを判断できます。
平均再生維持率が高い動画=ユーザーに求められているコンテンツであると証明できます。平均再生維持率は、平均視聴時間/動画の長さ×100で計算します。
●視聴完了率
動画を最後まで視聴した人の割合を示すための数字です。TikTokの動画を最後まで見たくなるような工夫が必要になり、冒頭や終盤までの流れにも工夫をしなくてはいけません。最後まで動画を視聴されるような動画を制作することを意識するようにしてください。
●いいね・コメント
TikTokの動画を見たユーザーがどんなリアクションをしているのかも確認する方法です。なかでも、TikTokアルゴリズムに重要視されているのは「いいね」「コメント」の2つです。このアクションが多い動画は、TikTokでも話題であることを証明できますし、おすすめ欄に表示されやすくなります。
●シェア率
シェア率も、TikTokのおすすめ欄に表示されるためには重要です。TikTokはTwitterなどのSNSにシェアできますし、気に入った動画を他の人たちと共有することも可能です。シェア率が高い動画になると、TikTokのアルゴリズムでも評価されるようになるので、お勧めとして表示される可能性が高まります。
●フォロー率
フォロー率は、動画の再生回数に対してどのくらいフォローされたのか割合を示したものです。フォロワー数はTikTokのアルゴリズムに大きな影響を与えることはありません。動画の再生回数に対してフォローされた割合は、アルゴリズムと多少の関係がありフォロー率が高いとお勧め欄に表示されやすくなります。
TikTok運用の方法・コツ8選|バズる動画の共通点
TikTok運用における方法やコツについて8つのポイントを紹介します。
このポイントはTikTokをバズらせる為の共通点でもあります。
(1)TikTok運用の目標を明確に設定する
TikTok運用のコツとして、企業で活用する為の目的や目標を明確にすることが大切です。実際にTikTokを運用するメンバーでペルソナ設計として想定ターゲットを具体的に選定することも大切です。できればカスタマージャーニーマップも作成しておき、最終的に達成したい数値目標や、中間目標をより具体的に設定するようにしてください。事前に目標を明確にしていないとTikTokを投稿することが目的になってしまうので、気を付けましょう。
(2)バズりやすい投稿ジャンルを理解する
TikTokでバズらせるためには、どんなジャンルの投稿がバズりやすいのかどうかを知ることが重要です。例えば、面白いネタ系のTikTok動画や、ノウハウ、知識系の動画、動物などの癒し系動画はバズりやすい特徴があります。いかにユーザーの感情を動かせるかどうか、有益な情報を与えられるかどうかです。自社にあった動画を分析することやコンテンツを作成するように意識しつつ、投稿ジャンルを決めていくようにしてください。
(3)毎日投稿を心がける
TikTokは、できる限り毎日投稿することが大切です。投稿する頻度が多い=ユーザーの目に触れる機会も増えるので、動画を楽しみにしてくれるファンの数も増えやすくなります。TikTokのファンが増えれば、平均再生回数も増えますし、いいねやフォロワー数も増加していきます。できるだけ高い頻度で投稿できるように、毎日投稿を心掛けるように意識してみてください。投稿する内容がなくならないように、社内で意見を出し合う機会も増やすようにしておきましょう。
(4)トレンドをおさえた動画を投稿する
TikTokでバズらせるためには、トレンドになっている動画スタイルや音源を積極的に活用するようにしてください。トレンドは変化しやすく一定ではありません。そのため、常に追い続けることが何よりも大切になってきます。流行の楽曲を使えば、視聴したユーザーが動画に対して興味を持ってもらいやすくなりますし、印象にも残りやすくなります。TikTokのアルゴリズムにも反映されやすくなるので、日頃からリストアップしてください。
(5)視聴されやすい時間帯に投稿する
TikTokの投稿はいつでもいいわけではありません。ユーザーから視聴されやすい時間帯があり、意識して登録することで、より多くのユーザーに見てもらいやすくなります。基本的には、学校や仕事から帰ってきて多くの人がSNSを見る19時~22時がゴールデンタイムと呼ばれています。平日よりも土日のほうがユーザーの視聴も活発になるので意識して投稿してみてください。また、ジャンルによっては通勤通学の7時~9時ごろもいいですし、ランチタイムの12時~13時も再生階数を伸ばしやすくなります。
(6)冒頭の数秒間に力を入れる
バズらせるTikTok動画は、最初の数秒に力をいれています。できるだけ1秒~3秒でユーザーの興味を惹きつけるようにして、最後まで見たくなるような動画を作るようにしてください。目を惹くようなタイトルを考えてもいいですし、最初に疑問をなげかけるなど、さまざまな工夫を凝らすようにしてください。実際にTikTokでバズっている動画を研究すると、そのヒントが隠れているのが分かると思います。分析することで冒頭の数秒間に力をいれた動画を探してみてください。
(7)適切なハッシュタグを積極的に活用する
TikTokの投稿はハッシュタグの流入がきっかけで、投稿がバズることも少なくありません。TikTokにとってハッシュタグも検索手段の一つになります。興味のあることや関心のあるジャンルの動画を探すための手段としても使えるようになります。フォロワー以外にもリーチしてもらえるように関連性のあるハッシュタグをつけて投稿するようにしてください。目安として5個程度のハッシュタグをつけるのがポイントです。
(8)ユーザーと積極的にコミュニケーションをとる
TikTokは、ユーザーと積極的にコミュニケーションをとることが大切です。既存のフォロワーや、投稿に対してコメントをくれたユーザーなど、感謝の気持ちを伝えるためにもコミュニケーションをとるようにしてみてください。交流の機会が多いと長期的にファンにもなってもらいやすくなります。コメントを残すことで、ファンを増やすきっかけにしてみてください。
投稿したTikTok動画がバズらない原因
TikTokに投稿した動画がバズらないのは、投稿の内容や質に問題が隠れていることも少なくありません。さらに、投稿頻度の回数が少ないことや投稿時間などの運用方法に問題が隠れていることがほとんどともいえます。具体的に考えられるバズらない原因についてまとめてみましたので参考にしてください。
動画のクオリティが低い動画が長すぎるオリジナリティがない TikTok以外の媒体に誘導し過ぎている投稿する頻度が少ない |
これらの原因が思い当たらないものの、なかなかバズらない場合は知らず知らずのうちにTikTokの金糸自王を破ってしまったことによってシャドウバンされている可能性もあります。シャドウバンとは、不適切な投稿や利用規約を違反した投稿に対して、運営側がアカウントの制限をかけるものです。事前に予告がないので、びっくりする人もいると思います。
具体的には以下のような原因が考えられます。
- TikTokの規約に違反する投稿をしていた
- 自動ツールを使いいいねの数を増やしていた
- 2つ以上のデバイスからアカウントにログインしていた
- フォロワーを購入していた
シャドウバンをされないためにも、プロによるTikTok運用コンサルを受けたり、運用代行を依頼する方法もあります。シャドウバンについて、運営に問い合わせてみてください。
まとめ
TikTok運用のコツについて、詳しく説明しました。いかにバズらせるかどうかによっても変わってくるため、いいねや維持率、フォロー率など数字でわかる部分をまずは重点的に変えていけるようにしてください。またシャドウバンにならないように、TikTokの規約をしっかりと読み込み理解したうえで運用することを大切にしてください。