TikTok運用を始めるうえで、著作権について知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。TikTokは誰でも気軽に動画をアップロードできるのが魅力ですが、著作権を無視した動画も少なくありません。そのため、著作権の範囲がわかりにくいと感じているかもしれません。TikTok運用で著作権に引っかからないように覚えておきたいポイントを紹介したいと思います。
TikTokで注意しなければならない著作権侵害とは?
著作権とは、オリジナルの音楽や動画などの著作物を保護するための法的権利のことをいいます。アイディアの保護の意味もあり、動画の表現方法や制作方法を守ってくれます。ただし、根本的なアイディアそのものを保護するものではありません。
TikTokで投稿されている動画も著作権の対象となり、著作権者は自分で制作した著作物のコピーを制限する権利を所有しています。具体的には著作物を公開・改変・配布・販売することが対象になります。TikTokのガイドラインで禁止され、著作権の侵害は犯罪となり重い罰則の対象となります。
企業(法人)の場合は、3億円以下の罰金(同第124条1項)の対象になり、多額の賠償金を支払うことも考えられます。
TikTokの利用で著作権侵害にあたるケース
TikTokでは、どんな投稿が著作権侵害に当たるのか、具体的なケースを3つ紹介します。
知らず知らずのうちに、TikTokの著作権侵害にならないように注意するようにしてください。
CD・カラオケなどの音源の使用
CDやカラオケなどの音源としてそのまま使用してしまうと、著作権侵害に当たる可能性が出てきます。
CD・カラオケには「原盤権」と呼ばれる著作権があり、他社が音源を勝手に使用してはいけないとしています。TikTokでは管理対象外の範囲になるため、動画で使用したいときはアーティストや録音者そのものに許可を取らないと使用してはいけないとされています。音源によっても権利が変わるからこそ、TikTokで使われている音楽だから…と安易に考えないようにしてください。
アニメやドラマ、映画などの素材の使用
アニメやドラマ、映画などの切り抜きをする行為は、著作権侵害の対象となります。実際にTikTokの動画ではアニメやドラマの切り抜きを見ることもありますが、規制が追いついていないだけの可能性があります。著作権侵害の対象になるため、今後規制が入ることが考えられます。せっかく作った動画が著作権侵害になってしまい違法行為にならないようにするためにも、アニメやドラマ、映画などの素材を使用するのは控えるようにしてください。どうしても使いたいときは所有元に許可をもらうようにしましょう。
MVやライブ映像などの使用
MVやライブ映像の転載は、著作権侵害になる可能性があるので十分に注意してください。一部の芸能人は、投稿や拡散を行うことで知名度をあげた人たちもいますが、ほとんどのケースで対象外となります。違法行為になってしまうからこそ、使用しないのをおすすめします。
TikTokで著作権違反にならないための方法7選!
TikTokの投稿で著作権違反になってしまわないためには、さまざまな方法があります。
具体的に気を付けるべき7つのポイントについて解説したいと思います。
1. オリジナルの素材を使う
TikTokで著作権の心配がある人は、オリジナルの自作素材を使うようにしましょう。例えば、オリジナルの楽曲を使うと著作権に影響してしまう可能性は大きく下がることになります。ただ、元の音源をそのまま編集したもの(替え歌など)を使ってしまうと、著作権違反に引っかかる可能性が出てきます。オリジナルの素材を考えるのが得意な人は、ゼロから作るようにすると、著作権の心配もなくなります。TikTokで使う動画を自分で演奏した音源もリスクを下げることに繋がります。オリジナルを意識しつつ、動画を作ることで、差別化にも繋がります。どんな楽曲なら著作権の心配がないのか不安な人は、できるだけオリジナルの素材を使うことを、意識してみてください。
2. フリーの素材を使う
TikTokの動画が著作権に影響しないようにするためには、フリー素材を使うのをおすすめします。フリー素材とは、著作権者が無償で利用を承諾しているものになり、音楽・画像・映像などが対象になります。フリー素材は、動画制作でもよく使われているため”他の動画でも使われている可能性がある”点は注意が必要です。そのため、動画の新鮮さは期待できなくなってしまいます。また、フリー素材を使うときは事前に利用条件を確認しておき、問題なく使える方法を確認しておきましょう。フリー素材のなかにも、商用利用が許可されていないものもあります。素材によっても条件が変わってくるからこそ、フリー素材だからと安心しないようにしましょう。
3. TikTok公式の提供音源を使う
TikTok公式が提供している音源を使うことで、著作権に引っかかりにくくなります。TikTokのなかにも、動画に使える「音楽ライブラリ」が用意されています。利用者に対して著作権の許諾が与えられるようになっているため、提供される音源を使えば著作権の侵害になる心配もありません。いかに著作権のリスクを回避できるかを考えたときに、TikTokの公式音楽ライブラリを使うのをおすすめします。さまざまな種類の音楽が提供されているので、今まで聞いたことのない音楽に興味を持つきっかけにもなります。動画をより多くの人に見てもらいたいと考えている人にとってもおすすめです。
4. 著作権者に許可を得る
TikTokでどうしても使いたい楽曲がある人は、著作権者に直接許可を得る方法もあります。直接許可を取ることで、楽曲の著作権違反になる心配もなくなり合法的に使用できるようになります。使用したい楽曲によっても変わってきますが、どんな著作物を使いたいのか権利を特定したうえで連絡をとれるようにしておきましょう。使用承諾をもらうときは、どんな目的で使用したいと考えているのか、期間などを明確に伝えることもマナーです。承諾を得られたときは、条件を守り動画に使用するようにしましょう。また、許可をとった楽曲は「許諾料」を支払う必要が出てくるようになるため、忘れずに確認しておきましょう。
5. 著作権が消滅している素材を使う
TikTokで使う楽曲の著作権が消滅しているものを使用する方法もあります。著作権には必ず保護期間が設けられており、保護期間が経過すると誰でも自由に使えるようになります。これを「パブリックドメイン」といい、TikTokで使用しても著作権侵害になってしまうリスクがなくなります。国によっても著作権の考え方は変わりますし、保護期間の違いもあります。消滅しているかどうかを日本の基準に基づき、判断しなくてはいけなくなります。日本では、著作権の保護期間は死後50年といわれており、この期間が過ぎていないとパブリックドメインになることはありません。ただし、独自の著作権を設けている場合もあるので、確認を必ず行うようにしましょう。
6. パブリックライセンスの素材を使う
パブリックライセンスの素材は、一定の条件下で自由に使えるように設定されています。条件を満たすことで許可を取らずに使用を許可するという意思表示のようなものです。実際にパブリックライセンスのコンテンツは、CCライセンスのマークが表示されています。CCライセンスには4つの条件があり、組み合わせによる6種類のライセンスが存在しています。コンテンツの数も多く情報で溢れている時代だからこそ、パブリックライセンスのように一目見て著作権を侵害することなく使えるかどうかがわかるのは重要です。条件を満たす必要はありますが、著作権を気にすることなく動画に音楽を使いたいときはパブリックライセンスを探すようにしてみてください。
7. 音楽などを使わない
著作権が心配な人は、あえて楽曲を使わない方法もあります。楽曲を使っていないTikTok動画は、著作権にかかる心配がなくなります。TikTok運営初心者など、使用する楽曲選びに困っている人は、一度音楽をつけずに試してみてもいいと思います。安心してアカウントを運用できるようになるので、音楽を使わないのも一つの手段として覚えておきましょう。例えば、トーク動画には楽曲を使わないため最初はこうした動画から挑戦してみる方法も検討してください。どっきり動画などもおすすめなので試してみてください。
TikTokで著作権侵害をしてしまったら?
TikTokで著作権を侵害してしまった場合、どのような罰則がありどのような対処ができるのか説明します。できるだけ著作権を侵害したくないと考えている人にとっても絶対に押さえておくべき点です。
著作権侵害の通知が来る
TikTokで著作権を侵害してしまうと、通知が届くようになります。著作権侵害と判断された動画に対して通知が届くため、必ず開封して確認するようにしてください。著作権違反通知は、処罰のなかでも最も軽いものになるため、この段階で対策を行うのをおすすめします。通知が届いたときは該当する動画を削除する、もしくは公式の楽曲に変更するなど誠実な対応を心掛けるようにしてください。対応一つでも印象が変わるからこそ、余計なトラブルを防ぐことにもなります。
動画が削除される
TikTokで著作権侵害をしてしまうと、動画を矯正削除されてしまう可能性も出てきます。視聴者数があり再生回数も多く、いいねやコメントが伸びている動画であっても削除する対象外にはなりません。せっかく今まで積み上げてきた実績があるのに、消えてしまうとなかったことになってしまいます。TikTokのガイドラインに違反していると、動画を削除されてしまうこともあるので、ガイドラインを確認しておくことでさまざまなリスクを減らすことにも繋がります。
シャドウバンされる
TikTokで著作権侵害に該当してしまうと、アカウントがシャドウバンの対象になってしまうことがあります。ユーザーから処罰の対象になってしまっていても、通知が届くわけではありません。そのため、自分で気付かないとシャドウバンになっていることにも気付けなくなってしまいます。投稿してもおすすめに表示されなくなってしまい、致命的なダメージに繋がる可能性も出てきます。急に動画の再生回数が減っているときはシャドウバンの可能性も含め考えるようにしてください。
アカウント凍結
TikTokの著作権侵害にあたると判断された場合、アカウントの凍結リスクも出てきます。TikTokから急に通知が届くのが一般的ですが、なかには通知すら届かずアカウントが使えなくなってしまう人もいます。今まで蓄積してきたフォローやフォロワーが0になってしまうこともあります。アカウントの閲覧もできなくなりますし、動画の投稿もできません。アカウントを凍結されてしまっている可能性があるため、原因を確認したうえで動画を見直すのをおすすめします。
著作権侵害は法的責任に問われる場合も!
著作権侵害は犯罪です。著作権の権利者から法的な責任に問われることもありますし、損害賠償請求の対象になってしまうことも考えられます。ただし、著作権法に違反していても、版権元の告訴が行われない限りは法的処罰の対象外となります。TikTokでは、実際に版権元が提訴することは少なく、TikTokに報告して動画を削除する、もしくはアカウントを削除するなどの処罰の対象となります。裁判を起こすのは費用も手間もかかるため、一個人が訴える可能性は低いといえます。
それでも訴えられてしまった場合は法的処罰の対象として、10年以下の懲役または、1000万円以下の罰金の対象になることも考えられます。TikTokだけでなくYouTubeでも違法アップロードをして書類送検された事例もあり、対象外ではありません。TikTokの運営でも十分に注意しなくてはいけないからこそ、著作権についてしっかりと押さえておきましょう。
まとめ
TikTokの著作権については、楽曲が原因となっていることがほとんどです。公式で使っている楽曲だから他の音源を使っても問題ないと判断して動画に使っている人もいます。ドラマや映画の切り抜きを使っている動画があるから問題ないと判断してしまうと、トラブルの原因となることもあります。著作権違反になれば今まで作ってきた動画や実績が消えてしまいます。また、企業としての信頼度にも関わってくる部分だからこそ、TikTokの著作権について確認するようにしてください。