TikTokのカルーセル広告を出稿したいと、調べている担当者の方もいるのではないでしょうか。カルーセル広告は、他の動画広告よりも始めやすいと言われており、制作難易度の低さでも知られています。はじめてTikTokカルーセル広告に挑戦したいと考えている人向けに、出稿に必要な準備や活用法、コツについて詳しく解説していきたいと思います。TikTokカルーセル広告を出したい人は参考にしてみてください。
TikTokのカルーセル広告とは?
TikTokカルーセル広告とは、1つの広告に複数の画像や動画を横並びに表示する広告のことをいいます。
たくさんの情報をより効率的に伝えられることでも知られています。ユーザー自身が横にスワイプして閲覧するため、広告フォーマットも「カルーセル広告」ではなく「静止画広告」に分類されます。
もともとTikTok広告の規定では、カルーセル広告の出稿は不可能だとされていました。2024年1月のTikTokアップデートによって、カルーセル広告を出稿できるようになりました。TikTokカルーセル広告は、2個~35個の画像をアップロードでき、複数の商品やサービスをユーザーに伝えたい時にも向いています。もちろん、1つの商品やサービスを深堀して紹介したいときにも便利です。
例えば、一つの商品に対して、利点を大々的に伝えたいときや、使い方を紹介するときに複数の画像・動画が必要になることもあります。TikTokカルーセル広告には工夫次第でさまざまな使い方ができます。
TikTokのカルーセル広告における入稿規定
TikTokカルーセル広告には入稿規定の決まりがあります。
4つの項目に分けて説明していきたいと思います。
画像枚数 | 2個~35個 |
解像度 | 1200×628px/720×1080px |
ファイル形式 | JPG/PNG |
ファイルサイズ | 100KB以下(推奨)TikTok広告の動画容量は最大500MB以下まで対応でき、これをこえてしまうとアップロードができなくなります。外部ツールで圧縮すると、画質そのものが荒くなってしまいます。 |
他にも、TikTokカルーセル広告の「広告キャプション」は、画像の枚数を問わずに1つの見出しのみ設定ができるようになります。画像ごとに見出しをつけることはできません。他にも、CTA、URLも画像枚数を問わずに1つずつ設定ができるようになります。CTAも0秒でボタンがが表示されるようになり、背景色も変わります。URLのサポートはついていないなど、細かな決まりがあるので十分に注意してください。
【TikTok】カルーセル広告のメリット・デメリット
TikTokカルーセル広告を出稿することは、メリット・デメリットの両面があります。
具体的にどのような違いがあるのか説明します。
メリット(1)動画広告と比較して制作難易度が低い
一般的にカルーセル広告というと、制作に工数がかかり出稿が難しい広告のイメージがあると思います。TikTokのカルーセル広告の場合、テンプレートの数も多く他のSNSで投稿したコンテンツをそのまま広告コンテンツとして使用することもできます。そのため、初心者でも出稿しやすく使いやすい点も大きなメリットと言えるでしょう。動画広告はハードルが高いと諦めている人にとっても、制作難易度が低いので気軽に始めやすいのも、大きなメリットと言えるでしょう。
メリット(2)比較的高いエンゲージメント率が期待できる
動画広告は自動的に配信されるためユーザーは「受け身」になってしまいます。一方、カルーセル広告は自発的にスワイプして動画を閲覧することもできます。自発的にスワイプすることが必要になるカルーセル広告のほうが、エンゲージメント率が低いと思われがちかもしれません。受け身となりがちなTikTokよりも静止画のコンテンツのほうが、ユーザーの反応を得やすくなります。ユーザー自身が自分のペースで読み進められる点もありますし、Instagramのストーリーズを見るような感覚で気軽に見られます。
デメリット(1)画像ごとにリンクを設置できない
InstagramやFacebook、X(旧:Twitter)の一般的なカルーセル広告のように、画像ごとにリンクを設置できないデメリットもあります。TikTokのカルーセル広告はフォーマットに関係なく1広告につきCTAやURLの設定は1つに限定されます。1つの広告に複数のリンクが設置できるのは、SNSのメリットになる部分ですが、TikTokにはこうした特徴を使えない点はデメリットといえるでしょう。
【5STEP】TikTokカルーセル広告の出稿方法と必要な準備
TikTokカルーセル広告の出稿方法について説明します。
STEP1:TikTok広告アカウントの開設・審査
TikTokカルーセル広告の出稿するためには、まずはアカウントの解説が必要です。「TikTok For Business」より、メールアドレスもしくは電話番号を入力して本人確認を行います。任意のパスワードを入力して、認証コードの横にある「送る」をクリックします。登録した連絡先に認証コードが届くようになるので、そのままTikTokのアカウント登録に進みます。必要な項目をすべて入力したあと「登録」を押すと、アカウントの開設が完了となります。
また、アカウント開設が終わったら「ビジネス情報の登録」を行ったあとに「アカウント審査」に入ります。審査の結果は約1営業日かかる場合が多いので、余裕をもって申請するようにしてください。
STEP2:初期設定
TikTok審査が通ったあとは、カルーセル広告の出稿に必要な初期設定をします。例えば、広告の成果計測に必要なタグ設定を行うこともできます。直接タグを埋め込む方法もあれば、Googleタグマネージャーなどのツールを使い、ピクセルコードを実装するやり方もあります。他にも、イベントタイプを選び「ECイベント」「カスタムイベント」のいずれかから選択する方法もあり、商品やサービスの購入を目的にしているのかによって設定を分けるようにします。他にも「オーディエンス設定」では、ユーザーリストを使用した配信を行うこともできるので便利です。
STEP3:キャンペーンの作成
TikTokカルーセル広告のキャンペーン作成に進んでいきます。広告マネージャの上部メニューのなかにある「広告」をクリックして「作成」ボタンを選択します。広告を配信したい目的を選んだあとに、キャンペーンの名前や予算についても細かく設定していきます。キャンペーン名は独自のものをつけても問題ありませんので、希望に合わせて選択するようにしてください。予算もどの程度かけたらいいのか迷っている人は「キャンペーン予算最適化」の部分をオンにしておき、TikTokに決めてもらう方法もあります。慣れて来てから、予算を自分で決めるようにするのをおすすめします。
STEP4:広告セットの作成
TikTokの広告では、事前に「広告セット」という配信方法などの詳細を決めることもできます。配信先を絞りたいときは、プレースメントにて設定するのをおすすめします。自動プレースメントはシステムが自動的に配信可能なプレースメントを選定してくれる機能です。配信先を絞りたいときにも使えます。ダイナミック広告の使用の有無を決める「クリエイティブタイプ」や、広告のターゲティングを決める「配信対象」では、性別や年齢などの細かな設定まで決められます。
STEP5:広告の設定
ここまで設定が完了したあとは「広告の設定」を行うようにします。広告名を入力したあとに「ikTokアカウントを使用してSpark Adsを配信」で、アカウントと連携させたまま配信する設定に変更しておきましょう。広告のフォーマットは「動画」もしくは「複数の画像」「一枚の画像」「Collection ads」のなかで選択するようになり、適切なものを選択するようにしてください。その後「広告クリエイティブ」をアップロードし、編集作業を行ったあと公開に進んでいきます。
TikTokカルーセル広告の活用法3選
TikTokにおけるカルーセル広告の活用方法を3つ紹介したいと思います。
(1)複数商品・サービスの紹介
TikTokカルーセル広告は、画像を複数設定でき多くの商品を紹介することができます。
簡易的な商品の紹介を載せておき、リンクで購入画面に移動できるようにしておくと効果的です。
例:ファッション通販サイトで、ショップ内各カテゴリの人気商品を商品カタログ風に紹介する
例:メイクの通販サイトで色のバリエーションがあるのをアピール、見比べられるようにする
などの活用方法もあります。画像1枚だけだと紹介できる情報も少なくなってしまいますが、カルーセル広告を使えば、スワイプさせて多くの商品を知ってもらうきっかけになります。自発的にスワイプしているので、最後まで見ているユーザーが興味を持ってくれているのも分かると思います。
(2)特定商品・サービスの訴求
TikTokのカルーセル広告を使い、特定商品の使い方やメリットを伝える方法もあります。
商品やサービスを使うときの手順を複数の画像に分けて表現すると、使い方がイメージしやすくなるのでおすすめです。特に家電のような使い方を説明するときは、動画のほうがより伝わりやすくなり、魅力を伝えられるようになります。1つの商品・サービスをさまざまなシチュエーションで使用している方法を載せることで販促効果を得るやり方もあります。
他にも、商品やサービスの口コミや画像・テキストで紹介する方法もあります。お客様の声として実際に商品やサービスを使ってもらった人の口コミを載せる方法も活用方法の一つです。
(3)特定商品・サービスをストーリー仕立てで紹介
特定商品・サービスをストーリー仕立てで紹介する方法もあります。
ひと言にストーリーといっても「企業目線」のものと「顧客目線」のものがあります。
企業目線の例:商品・サービスが誕生するまでのヒストリー紹介
顧客目線の例:ターゲットとなる顧客の商品・サービス利用のヒストリー紹介
より実体験を感じられるようなストーリーを紹介するようにしてください。一般的には似た立場のユーザー層や、興味関心が近いユーザーの意見になると、共感しやすい傾向があると言われています。実際に使っている人の様子を伝えられると、販促効果にも繋がると思います。広告が前面に出てしまうと、ユーザーからの嫌悪感を抱かれやすくなってしまいます。顧客目線の広告は、広告色が出にくくなるのでおすすめです。
TikTokカルーセル広告を出稿するときのコツ
TikTokカルーセル広告を出稿するときのコツを3つ紹介します。
1枚目に興味を惹く画像を設定する
TikTokカルーセル広告は、1枚目の画像・動画でユーザーの興味や関心を引けるかどうかです。そこで興味を持てないままだと、次のカルーセル広告を見てもらうことができなくなります。1枚目に表示させるカルーセル広告で興味・関心を引くようにして思わずスワイプしたくなるような工夫をしておきましょう。パフォーマンス性に優れた画像を1枚目にしておく設定をしておく方法もあります。TikTokカルーセル広告は枚数が多いほど見てもらえなくなる可能性もあるため、1枚目を意識するようにしてください。
重要な項目はセーフティゾーンに収める
TikTokカルーセル広告を出稿するときは、セーフゾーンも意識するようにしてください。セーフゾーンとはユーザーが閲覧するための領域のことをいい、重要なメッセージはこの部分に入れ込む事が大切です。TikTokでも推奨しているものになり、伝えたい内容が伝わりやすくなります。文章が長くなってしまいそうなときは、キャッチコピーを簡潔にして紹介するなどの工夫をしておくようにしましょう。
ユーザーの反応を計測・分析して改善に努める
TikTokカルーセル広告は、ユーザーの反応を計測しつつ分析することが必要になります。好きな広告を配信するだけでは確実な効果を得られなくなってしまう可能性もあります。TikTokでユーザーの反応を計測・分析するためには、プロアカウントに登録したうえで「インサイト設定」をオンにしておくのをおすすめします。インサイトを使うと、再生された数や視聴された回数、合計再生時間や合計視聴時間、平均視聴時間やフォロワー数などの情報を得やすくなります。広告の改善点も明確になりますし、欲しいデータを集めやすくなるからこそおすすめです。
まとめ
TikTokカルーセル広告は、複数の静止画(画像・動画)を使って、ユーザーに対して効果的に商品やサービスを伝えられるメリットもあります。カルーセル広告の効果的な活用方法や設定について、まずは理解することからはじめていきましょう。通常の単一画像では伝えられない多くの情報をユーザーに伝えられることもあり、利便性の高い広告方法と言えるでしょう。