AI Overview計測方法|無料でやる手順

結論からお伝えします。AI Overviewの計測は、有料ツールを導入しなくても無料で始められます。

必要なのはGoogleサーチコンソール、GA4、スプレッドシート、そしてシークレットウィンドウだけです。この記事では、実際に運用している月1回の定点観測フローを、そのまま真似できる5ステップで公開します。あわせて、サーチコンソールだけで判断してはいけない理由と、有料ツールを検討すべきタイミングも明示します。

AI Overviewの計測とは何を測ることなのか

計測すべき指標は「表示」「被引用」「流入」の3つ

AI Overviewの計測は、3つの異なる指標を分けて記録することから始まります。この3つを混同すると、施策の良し悪しを判断できなくなります。

指標測る内容測り方
①表示そのキーワードでAI Overviewが出るか手動でSERPを確認
②被引用AI Overviewの中で自社が引用されているか手動で引用ドメインを確認
③流入実際にアクセスが増えたかサーチコンソール/GA4

①が出ていなければ②③はそもそも発生しません。①が出ていて②がない場合は、記事の書き方に原因があります。①②が揃っていて③が伸びない場合は、AI Overview本文だけで疑問が解決してしまっている可能性が高く、対策の方向性が変わります。

なぜ従来の順位計測だけでは足りないのか?

検索順位1位でも、AI Overviewに引用されていなければクリックは発生しにくいからです。

AI Overviewは検索結果の最上部に表示されます。ユーザーはまずその要約を読み、疑問が解決すれば下にスクロールしません。つまり、オーガニック1位の枠は画面上でAI Overviewの下に押し下げられており、順位という指標が実際の露出を正しく表さなくなっています。

逆に、オーガニック5位や8位のページが引用元として最上部に名前を出すケースもあります。順位が下がっていないのにアクセスが減った、あるいは順位が上がっていないのにアクセスが増えた、といった現象が起きるのはこのためです。順位計測だけを見ていると、こうした変化の原因にたどり着けません。

サーチコンソールでAI Overviewを計測できるのか

サーチコンソールにAIO専用のレポートはあるのか?

2026年8月時点で、AI Overviewだけを切り出して見る専用レポートは用意されていません。

Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでは、AI Overview経由の表示回数とクリック数が、通常の検索結果の数値と合算されて記録されます。「AI Overviewでの表示だけ」を抽出するフィルタは存在しません。

この仕様は、サーチコンソール単体では「AI Overviewが表示されているかどうか」を判定できないことを意味します。だからこそ、次に説明する手動チェックとの併用が必要になります。

表示回数とクリック数がどう記録されているのか

AI Overviewの中に自社リンクが表示された場合は表示回数としてカウントされ、そのリンクがクリックされた場合はクリック数としてカウントされます。

ここで注意したいのは、AI Overviewが折りたたまれた状態で表示され、ユーザーが展開しなかった場合の扱いです。展開して初めて見えるリンクは、表示回数に含まれないことがあります。つまりサーチコンソールの数値は、実際の露出をやや控えめに反映している可能性があります。

この点は正確な仕様が公表されていない部分を含むため、数値を絶対視せず「傾向を見る指標」として扱うのが安全です。

サーチコンソールだけで判断してはいけない理由

表示回数が減っていても、それがAI Overviewの影響なのか、季節変動なのか、競合の動きなのかを区別できないからです。

たとえばあるキーワードの表示回数が3割減ったとします。サーチコンソールだけでは、AI Overviewが新たに表示されるようになったせいなのか、単にそのキーワードの検索需要が落ちたのかが分かりません。

この切り分けをするには、そのキーワードでAI Overviewが表示されているかを実際に目で見て記録しておく必要があります。手間はかかりますが、この記録があるかないかで、後から数値を読み解ける精度がまったく変わります。

無料でできるAI Overview計測の手順

ここからが本題です。月1回、1時間程度で回せるフローを5ステップで説明します。

手順①:計測対象キーワードを20語に絞る

最初にやるべきは、監視するキーワードを20語まで絞り込むことです。全キーワードを追おうとすると必ず途中で挫折します。

選び方の基準は次の3つです。第一に、サーチコンソールで表示回数の多い上位10語。第二に、コンバージョンに直結する商用キーワード5語。第三に、これから伸ばしたい重点キーワード5語。合計20語です。

スプレッドシートに1行1キーワードで並べ、列は「キーワード」「AIO表示」「自社引用」「引用ドメイン」「表示回数」「クリック数」「メモ」の7列を用意します。この時点では中身は空で構いません。

手順②:シークレットウィンドウでAIO表示有無を記録する

必ずシークレットウィンドウ(プライベートブラウズ)で検索してください。通常のウィンドウではログイン情報や検索履歴が反映され、実際とは違う結果が表示されます。

20語を順に検索し、AI Overviewが表示されているかを「あり/なし」で記録します。1語あたり10秒程度、20語で3〜4分の作業です。

このとき、AI Overviewが折りたたまれている場合は必ず展開してください。展開しないと引用元ドメインが確認できません。

実務上のコツ:検索は同じ時間帯・同じ端末で行ってください。AI Overviewは表示が揺れるため、条件を揃えないと前月との比較が成立しません。当編集部では毎月第1営業日の午前中、PCのシークレットウィンドウで統一して実施しています。

手順③:引用ドメインをスプレッドシートに残す

AI Overviewの下部に並ぶ引用元リンクを、上から3件までドメイン名で記録します。

ここで見るポイントは2つあります。1つは自社が入っているかどうか。もう1つは、入っていない場合に誰が入っているかです。

競合が継続的に引用されている場合、そのページを開いて構成を確認してください。見出しが疑問文になっているか、結論が見出し直下にあるか、数値や日付が具体的に書かれているか。この3点を自社ページと比較すると、差がどこにあるかがほぼ特定できます。

引用ドメインの記録は、施策の答え合わせとして最も情報量の多い項目です。ここを省略すると、計測が単なる数字集めになってしまいます。

手順④:GA4で参照元「google」のセッション変化を見る

サーチコンソールとGA4の両方を見ることで、「表示は増えたが流入が増えていない」状態を検知できます。

GA4では、レポートから「トラフィック獲得」を開き、セッションの参照元/メディアを「google / organic」で絞り込みます。対象は月次の推移です。

あわせて、ランディングページ別のセッション数も確認してください。手順①で選んだ20キーワードに対応するページのセッションが、前月比でどう動いたかを見ます。

ここで表示回数が横ばいなのにセッションだけ落ちている場合、AI Overviewによるゼロクリック化が起きている可能性が高いと判断できます。

手順⑤:月1回の定点観測に落とす

計測は続けなければ意味がありません。月1回、1時間の作業として業務に組み込んでください。

推奨する内訳は、手順②に5分、手順③に20分、手順④に15分、気づいたことのメモに20分です。日次や週次にする必要はありません。AI Overviewは同じキーワードでも日によって表示が変わるため、短い間隔で見るとノイズばかりを追いかけることになります。

3か月分たまると、傾向が読めるようになります。「このキーワードは常にAIOが出る」「このジャンルは出ない」といったパターンが見えてきたら、記事の書き方を変える対象を絞り込めます。

有料の計測ツールを検討すべきタイミング

何キーワードを超えたら手動は限界になるのか?

30〜50キーワードを超え、手動チェックに月2時間以上かかるようになったタイミングが目安です。

20語なら1時間で回せますが、50語になると単純計算で2.5倍の時間がかかります。加えて、複数店舗・複数エリアを持つ事業者の場合、地域ごとに検索結果が変わるため、実質のチェック数はキーワード数×エリア数になります。この段階で手動運用は現実的でなくなります。

もう1つの分岐点は、GoogleのAI Overview以外も追いたくなったときです。ChatGPTやPerplexityでの言及を継続的に記録するとなると、手動では再現性のある計測が困難になります。

ツール選定で見るべき3つの機能

選定基準は、対応AIの範囲・日本語対応・キーワード数と料金の関係の3つに絞れます。

1つ目は、どのAIサービスを計測できるかです。Google AI Overviewのみのツールと、ChatGPTやGeminiまで含むツールでは価格帯が変わります。自社の顧客がどこで情報収集しているかを踏まえて選んでください。

2つ目は、日本語と日本市場への対応です。海外製ツールは機能が豊富な一方、日本語のキーワードや日本のSERPに対する精度が不十分なことがあります。トライアルで実際の自社キーワードを入れて確認するのが確実です。

3つ目は、計測できるキーワード数と料金の関係です。多くのツールはキーワード数に応じた従量課金または段階課金です。手順①で絞った20語で足りるなら、最下位プランで十分なケースがほとんどです。

計測結果をどう改善につなげるか

AIOが表示されているのに引用されていない場合

この場合の原因は、ほぼ「書き方」にあります。ページの情報量ではありません。

AI Overviewは、ページの中から回答に使える2〜3文を抜き出して使います。情報が豊富でも、それが長い文章の中に埋もれていると抜き出せません。

対処は3つです。第一に、見出しをユーザーが実際に検索しそうな疑問文に書き換える。第二に、その見出しの直下1文で結論を言い切る。第三に、1つの見出しで扱う話題を1つに絞る。この3点を修正すれば、既存記事のままでも引用されるようになるケースが多くあります。

もう1つ、見落とされがちなのが日付と数値です。「最近」「多くの」といった曖昧な表現を「2026年8月時点で」「3社中2社が」のように具体化するだけで、引用対象として選ばれやすくなります。

引用はされているのに流入が増えない場合

これはAI Overviewの本文だけで疑問が解決してしまっている状態です。書き方の問題ではなく、記事の役割設計の問題です。

たとえば「営業時間は何時までですか」といった単純な質問は、AI Overviewが答えた時点で完結します。この種のキーワードでクリックを取り戻すのは構造的に困難です。

対処の方向性は2つあります。1つは、AI Overviewでは答えきれない情報を記事内に用意すること。具体的には、料金の内訳、実際の事例、判断基準といった、要約すると価値が落ちる情報です。もう1つは、そもそもこのキーワードでの流入を追わず、別のキーワードにリソースを移すことです。

すべてのキーワードで流入を取り戻そうとすると、費用対効果が合わなくなります。引用は取れているが流入が増えない、という状態は「ブランド認知は取れている」とも読めるため、指名検索の推移とあわせて評価してください。

AI Overview計測のよくある質問

AI Overviewの計測にサーチコンソールは使えますか?

部分的に使えます。AI Overview経由の表示回数とクリック数は通常の検索パフォーマンスに合算されて記録されますが、AI Overview分だけを切り出す専用レポートは用意されていません。そのため表示有無の記録は手動チェックで補う必要があります。

AI Overviewの計測は無料でできますか?

できます。サーチコンソール、GA4、スプレッドシート、シークレットウィンドウでの手動確認を組み合わせれば、20キーワード程度までは無料で運用できます。

計測はどれくらいの頻度で行うべきですか?

月1回を基本にしてください。AI Overviewは同じキーワードでも表示が揺れるため、日次で追うとノイズが大きく判断を誤ります。

AI Overviewに引用されるとアクセスは増えますか?

必ず増えるとは限りません。引用されても本文だけで疑問が解決すればクリックは発生しないためです。引用の獲得と流入の増加は別々の指標として計測してください。

有料の計測ツールはいつ導入すべきですか?

監視対象が30〜50キーワードを超え、手動チェックに月2時間以上かかるようになったタイミングが目安です。それ以前は無料の手動運用で十分に判断できます。

まとめ|計測は無料の手動運用から始めて十分

AI Overviewの計測で最も大切なのは、高機能なツールを入れることではなく、記録を続けることです。

この記事で示した手順は、キーワードを20語に絞り、シークレットウィンドウで表示有無を確認し、引用ドメインを記録し、GA4で流入を突き合わせ、月1回の定点観測に落とす、という5ステップでした。所要時間は月1時間、費用は0円です。

そして計測結果の読み方も、覚えることは2つだけです。表示されているのに引用されていないなら書き方を直す。引用されているのに流入が増えないなら記事の役割を見直すか、別のキーワードに移る。この2択で判断できます。

有料ツールは、手動運用が回らなくなってからで遅くありません。まずは来月の第1営業日に1時間だけ確保して、20語のスプレッドシートを作るところから始めてください。

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